セキュリティ面や運用コストなどの面でメリットがあるVDI(デスクトップ仮想化)は、環境や使い方によって遅い(重い)と感じられることがあります。そこで、こちらの記事ではVDIが遅い(重い)と感じる原因やその対策方法についてまとめました。
「デスクトップ仮想化」とも呼ばれるVDI(Virtual Desktop Infrastructure)は、遠隔地から仮想サーバーにリモートアクセスし、まるで自分自身のデスクトップ環境であるかのように利用ができるようにするシステムです。つまり、デスクトップ環境をサーバー上に再現し、端末にはデータを残さずに作業が行えます。この時、端末の画面にはデスクトップ環境の画面が転送されるため、まるで手元のPCで作業を行っているかのような感覚で作業ができます。
VDIは、端末にデータが残らないことからセキュリティ対策の一環としても活用できますし、ハードウェアの導入コストを削減できる面もあります。また、アプリケーションやOS、セキュリティソフトなど、一括してメンテナンスを行えるというメリットも挙げられます。PCのみではなくスマートフォンやタブレットでも、遠隔地より業務データへのアクセスが可能なので、より快適なリモートワーク環境を実現できます。
ただし、サーバの性能やネットワークに依存することから、環境によっては処理が遅く感じるケースもありますし、ネットワークが切れてしまった場合には作業に支障が出る可能性も考えられます。
他の端末は問題ないものの、特定の端末のみVDIが遅いと感じることがあります。この場合は、該当の端末で実行しているデータ処理や、端末の利用方法が原因であると考えられます。
仮想環境は、設定や構成によって物理環境と比較した際にCPU処理やディスク性能が低く感じられることがあるため、レスポンス速度に影響を与えることがあります。特に、複数のアプリケーションを動かすなど、並行して作業を行う場合は、ローカル環境よりもレスポンスが遅いと感じることもあります。
例えば、アクセスが集中しやすい始業時など、特定の時間にのみ動作が遅くなっているケースでは、仮想デスクトップの基盤がピーク時のアクセスに耐えられなくなっている可能性が考えられます。
時間帯や端末に関係なく、特定のアプリケーションが重くなるのであれば、該当のアプリケーションとVDIの接続や相性の部分で問題があると考えられます。この場合には、リソースの使用状況も確認しつつ、なぜそのアプリケーションのみで遅くなるのかの検証を行います。
ただ、動画の再生など画像データの転送量が多くなる場合、遅延が発生しやすいのは仮想デスクトップの性質のひとつであるため、利用の際のルールを検討することも必要であると考えられます。
仮想デスクトップでは、データセンターに操作情報を転送するためにネットワーク遅延の影響を受けやすく、ローカル環境と比較するとレスポンスが遅いと感じることもあります。そして、無線LAN環境では、電波状況や接続台数によって遅延が発生しやすく、反応が遅いと感じる可能性があります。
なお、ネットワーク遅延や端末環境に依存しない働き方を実現する新たな選択肢として、「万が一、PCを紛失しても情報が漏れない仕組み」を取り入れる企業も増えています。
パスワードや暗号化だけに頼らず、「漏洩しても意味をなさない」状態をつくるという発想のもとで設計された「秘密分散技術」は、物理的な情報漏洩リスクへの対策として注目されています。
パフォーマンスを改善するためには、まず仮想サーバーのスペックアップを図る方法があります。その上でパフォーマンスについてモニタリングを行い、継続的に行っていく方法がおすすめといえます。
このように、スペックを上げる方法はパフォーマンスの向上に直結するものの、コストの増加にもつながるため、あらかじめどれほどのスペックアップが必要なのかを確認してから取り組むことが必要です。
上記でご紹介したとおり、ネットワーク環境の影響でVDIが遅くなっている場合には、ネットワーク環境の見直しなどの対策が考えられます。まず、十分にネットワーク帯域を確保できているかの確認が必要です。
さらにその他の対策としては、可能であれば遅延が発生しにくい有線でネットワークへ接続することや、無線LANを使用するのであれば混雑しにくい5GHzを使用したり、アクセスポイントの接続端末数を少なくしたりする対策が考えられます。
遅延を発生させないために、個々の利用者での対策も考えられます。
例えば、動画はVDI上では再生しない・画面の変化が大きいコンテンツの利用を控える、アプリケーションを立ち上げすぎないなどリソースを節約する、バックグラウンドで動作しているアプリケーションを減らすなどさまざまな方法が考えられます。これらの対策を行うことで、リソースの使用効率が向上し、遅延の改善につながる可能性があります。
改善策のひとつとして、セキュアFATを利用する方法も考えられます。セキュアFATは通信環境に依存しないことから快適に処理が行える点や、ネットワークに依存せずオフラインでの使用が可能などさまざまな特徴があり、VDIにおいて作業中に遅く(重く)なるという課題の解決につながる可能性が考えられます。
セキュアFATとは、従来のVDIやシンクライアントと異なり、エンドユーザーのデバイス自体にフル機能のオペレーティングシステムやアプリケーションをインストールして利用する方式のこと。ただし、セキュアFATはセキュリティと管理の面で強化されており、企業内のIT環境に適した形で提供されます。
簡潔にまとめると
本メディアではVDIに代わる持ち出しPCのセキュリティ対策として注目を集めるセキュアFATについて、秘密分散技術によりPCの利用を安全で快適にするためのサービスを提供する「ZenmuTech」監修のもと、解説をしています。VDIに対して社内で不満の声があがっている企業のIT担当、SI担当の方はぜひご覧ください。
VDIが遅くなる原因には、端末で実行している処理が関係したり、ネットワークの遅延が影響したりするなど、さまざまな原因があります。考えられる対策方法もいくつかありますが、なぜVDIが遅くなっているのかを突き止めた上で対策を行うことが大切であるといえます。
もしVDIを利用しており遅い・重いと感じる場合には、まず原因について考えた上で、その原因に合った対策を実施していくようにしましょう。
「情報漏洩は防げない」という前提に立ち、情報を守るのではなく、漏洩自体を防ぐという発想の転換により、意識せずセキュリティを享受できるZENMUを開発しました。AONT秘密分散技術を活用したデータ無意味化ソリューションなど、革新的な技術とオープンイノベーションを通じて、新たな発想で「情報の安全」を実現しています。